

21世紀に突入してから、自動車業界では国際的にEV、FCV、PHV化が加速し、また二輪業界にもEV化の波が押し寄せ、目覚しいアップデートが繰り返されてきました。その潮流はモビリティに限らず、様々な分野でこれまでの常識を覆すようなイノベーションが起こり、テクノロジーの進化はとどまることを知りません。
FCCもまた、クラッチに特化してきた開発力・技術力・生産力を従来とはちがうカタチでアウトプットするべく「新事業開発部」を設立し、日々研究を続けています。クラッチやモビリティの枠組みを飛び越えた「新しい時代をリードする、新しい技術」。そして「FCCだからできること」。
私たちは、クラッチシェア世界No.1メーカーのアドバンテージを活かし、その可能性を模索していきます。
NEW BUSINESS
新事業 3つの柱
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EV製品開発 今後の電動化社会を見据え、
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クラッチ及びCVT系だけに
留まらない製品領域において、
EV向け製品の研究開発を行います。 -
ペーパー応用
製品開発FCCの固有技術である摩擦材製造で培った抄紙技術を用い、高性能燃料電池スタックや不純物をフィルタリングする水処理ペーパー、触媒など、他分野への応用を目指しています。
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新領域事業開発 既存のテクノロジー、ビジネス領域にとらわれず、国際的なマーケットの動向を広く見極め、FCCが次世代の社会へ提供し得る、まったく新しい価値の創造に挑戦しています。
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EV製品開発
EV製品開発
今後の電動化社会を見据え、クラッチ及びCVT系だけに留まらない製品領域において、大学やベンチャー企業等の外部機関と連携を図りながらEV向け製品の開発を行っています。
ペーパー応用製品開発
摩擦材製造で培った抄紙技術を応用し、
新しい事業領域での製品開発・商品を目指した
研究開発を行います。
ペーパー応用製品開発
摩擦材製造で培った抄紙技術を応用し、
新しい事業領域での製品開発・商品を目指した
研究開発を行います。
新型燃料電池スタックの開発
3つの機構を一体化させ、
高効率+コンパクト化を実現
家庭用発電機などに用いられる「燃料電池スタック」。FCCは、そのコアデバイスに抄紙技術を用いた高性能ペーパーを組み込み、高効率な発電を可能にする研究を進めています。これにより、従来のSOFC型燃料電池に付随している「改質器」と「水気化器」が不要になり、大幅なコンパクト化、低コスト化を実現。また、廃棄するしかなかった、内部で生成した水を改質に再利用することで、優れたパフォーマンスを発揮し、温室効果ガス排出の低減にもつながります。
従来のSOFC型燃料電池と、
改質一体型燃料電池の違い
従来のSOFC型燃料電池 | 改質一体型燃料電池 | |
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1 | 気化器、改質器で都市ガスを改質(水素生成) | 水気化器、改質器が不要 |
2 | 空気中の酸素が空気極に流入 | 空気中の酸素が空気極に流入 |
3 | 燃料(H2)が燃料極から流入 | 燃料(都市ガス)がペーパーへ流入 ペーパー内部で改質(水素が生成) 燃料(H2)が燃料極から流入 |
4 | 燃料極表面で水素の酸化反応(水が生成) | 燃料極表面で水素の酸化反応(水が生成) |
5 | 起電力発生(発電) | 起電力発生(発電) |
6 | 余剰燃料と生成した水は排気 | 生成した水を改質に再利用 |
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従来のSOFC型燃料電池 セル断面イメージ図
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改質一体型燃料電池 セル断面イメージ図
高効率イオン交換ペーパー、
イオン交換機の商品化
自動車業界のみならず、幅広いビジネス領域へ展開
FCCがクラッチ摩擦材、排ガス触媒製造で培った製紙技術はさまざまな分野に活かせる可能性を秘めています。需要の高まる水素分野では、FCV(燃料電池車)や食品分野でアミノ酸やビタミンの抽出に利用されている「イオン交換機」に着目。ここに独自の「イオン交換ペーパー」を用いることで、従来はビーズ型の球状粒子で行っていた不要イオンの除去率が、約10倍になると見込んでいます。また、ペーパーだけでなく、イオン交換機そのものの商品開発も、視野に入れています。
メリット
ペーパー内の気孔を利用し
効率よくイオンを除去し、
イオン交換器としてコンパクト化が可能
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市販品(ビーズタイプ) ■実質的なイオン交換部分
球状粒子(~1mm)→球表面でイオン交換 -
FCCイオン交換ペーパー ペーパーにイオン交換体を塗布 → 高表面積を確保
ペーパー内部でイオン交換 → 高効率、コンパクト化
薄い形状(0.1mm~) → 狭いスペースへの設置が可能
地球の水質を守るRO/UF膜
排水処理、工業用ボイラー、発電所まで
排水処理設備や工業用ボイラー、発電所水処理に利用される「RO/UF膜」。
FCCコア技術(抄紙)の進化により得られる薄紙、薄膜技術を応用し、透過水量を増やすことで、これらの生産能力及び処理効率UPが期待できます。
水質汚染の懸念等により水処理再利用のニーズが増加していることから、世界各国への展開を見据えています。
環境に配慮した除去触媒
排ガス除去触媒は実現済み、次のステップへ
2008年、FCCはクラッチ用摩擦材料を製造する技術、湿式抄紙製法(紙漉き)を利用した排ガス浄化触媒材料(ペーパー触媒)の開発に成功。2011 年 には、同触媒を搭載した小型屋外作業機械用カタリストの量産に踏み切りました。その技術をさらに発展させ、工場向けのPM除去触媒の開発、製品化を目指し、大気汚染が深刻な途上国を中心に展開を予定。空気中のPM等の有害物質が軽減し、呼吸器・心臓疾患で苦しむ人がすこしでもすくなくなる社会へ、固有技術で貢献していきます。
新領域事業開発
新領域事業開発
ボーダレスな発想で
新機軸のビジネスを
電動化が進み、クラッチそのものの存在意義が変化していく次世代において、クラッチメーカーができることは何か。自動車、二輪車という世界規模の巨大市場で培われたFCCのテクノロジーやリソースを最大限に活用し、未来の社会の課題に対してどんなソリューションを提供していくのか。
そこからはじまった「新事業開発部」のカバーする領域は、既存事業の延長線上にあるEV・FCV製品などに留まらず、モビリティの枠組みを超え、あらゆる業界・分野を対象としています。
私たちはこれからも、さらに広範囲に視野を向け、高い専門性と技術力を持つFCCの強みを発揮できるステージを構築するためのリサーチ、そして研究と開発を続けていきます。