オフィシャルレース情報サイト

オフィシャルレース情報サイト

24H SPA EWC Motos 2022
劇的な最終ラップで3位表彰台、ランキングも2位に

有名なスパ・フランコルシャン・サーキットで開催される2輪耐久レースの復活となるこの第1回24H SPA EWC Motosには、38チームが参加した。全長7km及ぶ長いテクニカルコースで非常に厳しいレースが行われ、F.C.C. TSR Honda Franceチームはリスキーなコンディションの中、最終ラップで3位フィニッシュ、劇的な表彰台を獲得した。

6月4日(土)現地時間午後1時、ジョシュ・フックが#5のHonda CBR1000RR-R Firebladeを駆り、4番グリッドから素晴らしいスタートを切った。1周目を2番手で終え、メーカーを代表するライバル4台とレースをリードしていった。5台は各ラップで激しいトップ争いを繰り広げ、サーキットに集まった15,000人の観客に素晴らしいパフォーマンスを披露した。

レース中盤頃にレースの主導権を握ったF.C.C. TSR Honda Franceは、スタートライダーのジョシュ、続いてマイク、ジーノと続くスティントを順調にこなし、レース開始から10時間にわたりトップ3に留まり、気温が下がり夜が更けるにつれてパフォーマンスを向上させていった。ジーノ、ジョシュも2分21秒台のラップを記録、夜の寒さに慣れてきた頃、マイクも21秒台を記録し、2番手をキープして周回を重ねる。

その間、トップの技術的な問題で修復を続ける中、代わったジョシュがトップに立ち、再びレースの主導権を握る。8時間経過は2位通過だったが、16時間経過のトップ通過が脳裏をよぎる中、ジーノの走行中にメカニカルトラブルが発生。コース脇にマシンを停めたジーノはマシンを押してピットに戻り、スイングアームを交換する大手術を行った末、30分をロスしながらもコースに戻った。最大10位まで後退したものの、ライダーたち、チームクルーは絶妙のコンビネーションで非常に速いラップタイム・ピットワークで追い上げを開始した。これにより、16時間経過は8位通過でポイント3を獲得した。その後も順調に周回を重ね、5位まで順位を挽回しさらに上位を狙える位置に復帰した。

しかし、週明けから予報されていた雨は、日曜日の午前7時30分についにサーキットに姿を現し、わずか数分の間にクラッシュが続出する事態に、レース開始以来3度目のセーフティ(SC)カーが導入されることとなった。マイクは高速でフロントからスリップし、このコンディションの犠牲者の一人なったが、幸いマシンやライダーに深刻な影響はなく、そのまま5位でコースに復帰した。

SCカーによるニュートラル状態の終了後、残りは4時間少々となる中、今や降り注ぐ大雨に素早く対応したマイクはトップタイムをマークし4位に浮上するとTOP3とのギャップを縮めていくことになった。3位にポジションを上げ、2位をロックオン。しかしライバル車に先行されて一時4位まで後退してしまう。その時点で、激しい雨の中でコース上に撒かれたの大量のオイルが原因で赤旗が提示され、レースは中断された。

完全なオイル処理のため、パルクフェルメ(ガレージ内)で全バイクがスタンバイされ、シャッターが閉じられて2時間に及ぶ中断が始まった、残り時間は刻々と削られ、チームも4位フィニッシュが前提でポイントランキングを計算し始めた。

しかし、これで済むわけではなかった。当初は残り時間でパレードして終了のはずだったが…。FIM、EWC、そしてチームとの協議の結果、それはスーパーバイクスプリントレースに変わり、このような極限状態を得意とするジーノがこの状況を制することになった。レースの最終ラップでライバルに先行し3位をさらうという、非常にハイレベルで劇的な結末を迎えたのだった。

この結果により、F.C.C. TSR Honda Franceは、ル・マン24時間で獲得した49ポイントに、今回の24H SPA EWC Motos 2022で獲得した42ポイント(予選/2,決勝8時間/9,決勝16時間/3、24時間/28)を加え、2022年のEWC世界選手権ランキングでトップと15ポイント差の2位に浮上した。

次回決戦の舞台は日本の鈴鹿、8時間のスプリント耐久だ。期せずして入国制限も緩和の方向に向き、レースに向けて前向きな環境が整いつつある中で、ライバルと直接対決で勝負する。

TAGS