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F.C.C. TSR Honda France、2021シーズン初優勝

本当ならこの日程で開催されていた鈴鹿8耐に代わり、ポルトガルはエストリルの地で開催されたFIM EWC2021エストリル12時間レースは、サバイバルレースの様相も呈しながら進み、4番手からスタートしたF.C.C. TSR Honda France(ジョシュ・フック/高橋裕紀/マイク・ディ・メリオ組)は見事優勝を飾った。

いきなりグリッドへの移動が始まった昨年とは異なり、8:15から15分間、計測のないウォームアップ走行が行われた後、コース上に整列、ウォームアップで1周した後に12時間先のゴールを目指してレースがスタートした。

スタートライダーのマイクは好スタートを決め、トップで戻ってくるが、その後#37のBMWが先行し、それをマイクと#1SERT、#7YARTの3台、#11SRC KAWASAKIがやや離れて追いかける展開となり、これら5台の争いでレース序盤は進んでいく。

崩れたのは#37が転倒して後退した83周あたりから。その後100周目には#1SERTもクラッシュ。レースには復帰するが、#37同様に大きく後退してしまった。実際にSC(セーフティカー)も何度か介入するなど、サバイバルな耐久レースらしい雰囲気を漂わせ始めた。

ウィーク前半は快晴で強い日差しながらも、強く冷たい風が吹き荒れたエストリル地方だったが、週末に入り風が収まると気温30度超、路面温度55度以上という、鈴鹿8耐さながらの真夏の耐久レースとなった12時間耐久レース。近年のEWCでは、おそらく無かった気象条件でのレースは、残った上位3チームにも襲いかかる。我々にも例外ではなく、前日までとは違ったタイヤチョイスを迫られていたからだ。

レースが中盤6時間を過ぎて、8時間経過時点の順位で獲得できるボーナスポイントをにらみ、我々と#7YART、#11SRC KAWASAKIの3台は、ピットストップのタイミングで順位を前後させる。#11は当初から1スティントにおける周回数が少なく、終盤にはピットストップ回数が鍵を握るか、我々もブレーキキャリパー交換をどのタイミングで行うか、などライバルチームの動きと自分たちのチームの動きを織り交ぜながらの、今度は神経戦となった。

その中で#7YARTが230周目に転倒!その後レースには復帰したが、戦線を離脱した。残ったのは#11をトップとした我々と2台。17:00の8時間経過を目前に、またもやSCが介入。レース復帰後じわじわと上位陣の後ろ付近まで順位を上げてきた#1SERTが再び大クラッシュしたのだ。この介入で2台のSCで#11とはグループが分かれてしまったが、8時間を2位で通過し、9ポイントを獲得。

これ以降、レースは終盤に入り、我々とトップ#11のピットストップ回数の違い=燃費計算が徐々に両者に影響を与えてきた。ピットストップのタイミングによって見かけ上1分以上に見える#11との差は、実質的には20秒ほど。それを気にするあまりか、370周を目前に#11がガス欠。代わってトップに立ったのは裕紀だ。8時間経過時点も裕紀のスティントであり、やはり“持ってる”男だった。

これで単独トップとなり、レースは残り1時間の最終盤に突入。#11は周回遅れの3位から追走するが、最後のスティントをジョシュが329.3km/hの最高速をマークしながらもしっかり走り切り、見事優勝を遂げた。前回ル・マン24時間の雪辱を果たし、2020年の同レース2位から最上段に上り詰めた。

高橋裕紀コメント

藤井正和総監督コメント

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エストリル2021 FIM世界耐久選手権