ポールポジションからスタートしたのは、前回同様フレディ。#5のCBRは、はじかれたように飛び出したものの、オープニングは若干順位を落として戻ってくる。
しかし、その後早い段階でトップに浮上するとレースをリードしていった。ライバルたちとは僅差の中、3人のライダーが3スティントずつ計9スティント8回ピットを予定する形で、アラン、そしてジョシュへとリレーが続く。
レース中盤、ジョシュは高い路面温度によるフロントタイヤのコントロールに苦しみ、なかなか自分のリズム良く走ることができなかった。
#5F.C.C. TSR Honda Franceと直接のライバルを含むトップ4チーム、#94、#7そして#111は8時間の間、ピットワークの度に順位を入れ替える目の離せないバトルを繰り広げた。
レース後半に入る頃、セーフティカー(SC)が導入され、残念なことにトップの#7とは2台のSCにより分断されたこともあり、その差は広がってしまった。一旦4番手まで順位が落ちるものの、レース終盤には再び3位をキープ。フレディの3スティント終了後のアランの予定を変更し、ジョシュにスイッチ。昨年もレース終盤に2分4秒7のニューレコードを樹立しているジョシュが、4秒台を連発して周回を重ね、再びレースファステストラップの4秒421をマークすると場内アナウンスがひときわ大きくなる。
さらに、最後のスティントへとバトンを継いだフレディも空気がひんやりとしてくる時間帯に4秒台を連発、211周目にレースファステストと同時にニューレコードとなる4秒185をマークして2番手を追い場内を沸かせるが、タイムアップ。しかしトップと同一周回数の224周を走り抜き、3位でチェッカーフラッグを受けた。
結局チャンピオンシップの直接ライバル#94GMTが2位となったため、チャンピオンシップポイントは1ポイント差まで縮まったが、世界ランキング1位のままで次のドイツラウンド、シリーズ第4戦オッシャースレーベン8時間(6月7日(木)〜9日(土)開催)に臨む。
【F.C.C. TSR Honda France 総監督藤井正和】コメント
「今回の結果はベストではないが、ベターだ。我々が世界一を死守できたからね。しかも、それ以上に手応えを感じている。正直、前回のル・マンは運も味方して勝つことができた面は否めない。しかし、今回は違う。新しく投入したマシンが日を追って良くなり、我々が超えなければならない強いライバルと、ようやく互角に戦える土俵まで上がる事ができた。その手応えを掴めたのは大きい。次回、ドイツではさらに良くなるだろう。ドイツが楽しみだね」