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2017-2018世界耐久選手権シリーズ〈後編〉
戦いの軌跡

追われる立場で挑む後半戦
世界一をかけた戦いは
遂にクライマックスへ―

2017年7月末日、夏の祭典・鈴鹿を終えたその日から、
世界一を目指してリスタートを切ったF.C.C. TSR Honda France。
その言葉通り、ボルドール24時間、ル・マン24時間という熾烈なフランスラウンドを凌ぎ、
年間ランキングトップに躍り出た。
第3戦スロバキアからはじまる8時間耐久レースは、
24時間と比べて長時間をかけての巻き返しが難しい分、一つのミスが致命傷につながりかねない。
まさに一戦一戦が正念場なのだ。
そんな緊張感と重圧が渦巻く場所でコンマ1秒を競い合う彼らの戦いも、
遂に折り返し地点へと差し掛かった。
後編では、年間チャンピオン獲得に向けてますます加速していく
F.C.C. TSR Honda Franceのスロバキア、ドイツラウンドを振り返る。

ベストラップ連発の熱走!
3位入賞でランキングトップを堅守

日程・スタート時間
決勝レース
スタート5月12日(土)12:30
フィニッシュ5月12日(土)20:30
会場
Slovakia Ring (5.922 km)
スロバキアリング(スロバキア)
走行結果
フィニッシュ順位 / 3位
周回数 / 224周 ※トップと同一周回数
レースベストラップ / 2:04.185(フレディ・フォレイ)
獲得ポイント / 21pt
ポイントランキング / 1位(116pt)

今回のスロバキア8時間からは、新型Honda CBR1000RR SP2/EWC耐久モデルが満を持して投入される。チームカラーでもあるF.C.C.ブルーを基調としたトリコロールが印象的な、F.C.C. TSR Honda France仕様だ。
これまで熟成された走りと信頼性で長く親しまれてきた旧マシン、CBR1000RR TSR-EWC仕様は、ここでレースの第一線から退くこととなる。日本チーム初のル・マン優勝が幕引きとは、まさに有終の美を飾ったと言えるだろう。

ベストラップ連発の熱走!3位入賞でランキングトップを堅守

そんなル・マンからわずか3週間後、興奮冷めやらぬファンをよそに、シリーズ折り返しとなるスロバキアラウンドはスタートした。
迎えた予選、#5 F.C.C. TSR Honda Franceはタイヤを温存しながらも各ライダーが好タイムを打ち出し、ポールポジションを獲得。
スタート直後こそ少し遅れをとったものの、レース開始から1時間が経った頃にはトップポジションでレースを引っ張っていく。ここからは、もはやおなじみとなったライバルチームたちとのトップ争いに突入。3台のマシンが僅差で競り合う白熱した展開が続く。

レース中盤、一足先で鍔迫り合いを繰り広げる1、2マシンを#5 F.C.C. TSR Honda Franceが猛追していた頃、転倒が発生しセーフティーカーが介入。
2台のうち1台はトップと2番手の間に入り、さらにもう1台が3番手を走っていた#5 F.C.C. TSR Honda Franceの前に入ったことで、トップに大きく後れを取ると同時に、50秒ほど引き離していた4番手チームとの差が無くなった。

ベストラップ連発の熱走!3位入賞でランキングトップを堅守

これにより、ペースコントロールが解除された際には一時4位にポジションを落としたものの、レースが終盤に差し掛かった140周目には再び3位に浮上。その後、#5 F.C.C. TSR Honda Franceのライダーたちは次々とファステストラップを叩き出し、会場を沸かせるも、惜しくもタイムアップ。3位でチェッカーフラッグを受けた。

ベストラップ連発の熱走!3位入賞でランキングトップを堅守

この結果、F.C.C. TSR Honda Franceがスロバキア8時間耐久レースで獲得したポイントは21pt。2位チームとの差は1ptまで縮まったものの、ランキングトップの位置を守り切り、次戦へとバトンをつないだ。

パーフェクトなレースで魅せた
今季2度目の優勝で世界一に王手!

日程・スタート時間
決勝レース
スタート6月9日(土)13:00
フィニッシュ6月9日(土)21:00
会場
Motorsport Arena Oschersleben(3.667 km)
モートルシュポルト・アリーナ・オッシャースレーベン(ドイツ)
走行結果
フィニッシュ順位 / 1位
周回数 / 312周
レースベストラップ/1:27.149(ジョシュ・フック)
獲得ポイント / 30pt
ポイントランキング / 1位(146pt)

ヨーロッパラウンドのラストを飾るのは、ドイツ・オッシャースレーベン。
年間ランキングをみると、ライバルチームがすぐ1pt差のところまで迫っており、少しのミスで大きく形勢を逆転されかねない状況だ。ここをミスなく切り抜け、相手との差を広げることができるかどうかが、チャンピオン獲得に向けての重要なカギとなってくる。まさにチームにとって真の天王山とも言える一戦だ。

いざ臨んだ予選当日。今回も少ないテイクでライダーたちが好走を見せ、チームは2番手のポジションを獲得。レーススタートから順調にトップ集団に滑り込んだ。 今回のオッシャースレーベンは序盤から荒れた。第1スティントの段階で2度もセーフティーカーが介入し、刻々と状況が変化していく。

そんな中で、#5 F.C.C. TSR Honda Franceはライダーの経験と実力を信じ、ギリギリまでスティントを引っ張る作戦をとった。これにより、チームはトップ集団の中で最も遅いタイミングでピットインを敢行し、順位を上げてライダーチェンジ。この後しばらくは、ピットインのタイミング、ピットワークのスピードがレースの様相をせわしなく動かしていった。

パーフェクトなレースで魅せた今季2度目の優勝で世界一に王手!

ピットインはライダーの判断で行われるため、正確なタイミングは掴めない。そのため、ピットクルーたちはマシンがピットレーンに近づくたび、迅速に作業に取り掛かれるように、何度もスタンバイを繰り返すのだ。そのハードワークぶりからピットはよく戦場に例えられるが、それはマシンが入っている時のことだけではない。

その後迎えた2度目のピットインでも、チームは粘りに粘って周回数を稼ぐ。転倒やペナルティなどで徐々に上位チームが脱落していき、トップ争いはいよいよライバルとの1-2態勢に。#5 F.C.C. TSR Honda Franceがライバルを抜き去りトップに立つと、場内は大きな歓声に包まれた。そこからは追い縋る後続チームに捕まらないよう、ペースを保ったまましっかりと周回を重ねていく。
そしてレース終盤、これまでの戦略が功を奏し、残り1時間の段階で6回目のピットイン。最後のライダーがコースへと飛び出した。これで『6回ピット7スティント』の実現はかなり濃厚となった。 しかしながら、給油のために7回目のピットインが行われる可能性も考慮し、メカニックと給油マンたちは給油に専念するピットワークのトレーニングを実施。万全の態勢で最後の勝負に出た。

パーフェクトなレースで魅せた今季2度目の優勝で世界一に王手!

ラスト20分、いよいよ大詰めも大詰めとなったこのシーンで、またも転倒が発生。この日3回目となるセーフティーカーがコースインする。レース終了10分前まで続いたペースコントロールにより、7回目のピットインの可能性は完全に無くなった。
そして、そのまま独走状態でフィニッシュ。見事今シリーズ2度目となる優勝を果たした。

パーフェクトなレースで魅せた今季2度目の優勝で世界一に王手!

波乱のレースとなったが、F.C.C. TSR Honda Franceは細やかかつ正確なコミュニケーションで、ノーミスのパーフェクトなレースを完遂した。これによりチームは30ptを獲得、僅差に迫っていた次点チームを10pt差まで引き離した。

パーフェクトなレースで魅せた今季2度目の優勝で世界一に王手!

2017-2018世界耐久選手権シリーズも、いよいよ残すところあと1戦となった。 EWCへのシリーズ参戦をはじめて3年目。今季、F.C.C. TSR Honda Franceはあまたの強豪チームたちに競り勝ち、海外ラウンドでの優勝を果たしたことで、世界にその強さを見せつけてきた。 ホームグラウンドの鈴鹿8時間耐久レースは、ここまで競い合ってきたEWC参戦チームに加え、日本の有力チームがそろい踏み、ラストにふさわしい激闘が繰り広げられるだろう。
あの言葉から1年―満を持して、最終戦鈴鹿の幕が開こうとしている。 世界一を目指して駆け抜けてきたF.C.C. TSR Honda France、その最後の大一番をともに見届けよう。

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